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ブログ - Words from Flying Books

部屋とクリエイションの関係

最近、Mark BorthwickやSusan Ciancioloなどアーティストの部屋の写真とインタヴューが載っている本を買いました。
Markの部屋は、NYブロンクスの荒廃した家を何年もかけて自分で改装し、たくさんの窓から光が降り注ぐ、とても気持ち良さそうなところ。Markの愛する古い家具や小物に囲まれて、庭と部屋とが一続きになっているような空間です。ここで写真を選んだり、音楽を創ったり、料理をしたり、友達や子どもと遊んだりするだろうなぁと思うと、本当に素敵な空間でうらやましい限りです。
Markの創る映像や音楽に触れると、自然のなかに身をゆだねて、たとえば川面にキラキラと反射する光や木漏れ日を身体で感じるという追体験をしているかのようですが、日常からすでに光があふれるところなのでした。

数年前、青山でMarkのライブを見に行ったとき、夕方、突然スコールのような雨が降り出し、それでもライブは続いていたのですが、あっという間に雨は止んで、空に二重の虹がかかりました。観ていた人たちは歓声を上げて写真を撮ったりしていたけれど、Markはうれしそうに気持ち良さそうに、いつもとあまり変わらず歌を歌っていました。自然のありようをいつも身近に受け止めているのかなと思いました。

ファッションの世界にいながら、きらびやかで移り変わりの激しいモードとは正反対の歩みを続けるMark Borthwick。1988年のデビュー以来「アンチモード」を掲げて、ストイックでありつつも手仕事のあたたかみを感じるデザインを発表していたマルタン・マルジェラ。そして、優れた審美眼で魅了するエレン・フライスのPurple Books。三者が有機的につながった1990年代終りの時代は、インディペンデント精神にあふれていて、既成概念やジャンルにとらわれず、自身の信念に沿って行動する勇気を与えてくれたと思います。それも、肩肘張らず、とても自然なやり方で。時代が変わっても、この清清しい感性は生き続けてほしいものです。

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アントワープファッションの先駆けであるメゾン マルタン マルジェラの1998-99年秋冬のカタログとして刊行された写真集。帯にはマーク・ボズウィックの手書き文字。帯付できれいな状態のものは、入手困難。
『“2000-1” Maison Martin Margiela』
Mark Borthwick
SC 帯
Maison Martin Margiela 1998年
SOLD

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Purple Booksから刊行されたマーク・ボズウィックの写真集。初期のPurpleはこんな小さな版型のものでした。(15×10.6cm)
『Are Plants People?』
Mark Borthwick
L’Esprit Frappeur, Purple Books 1999年
¥9,500

Uehara

2011 年 7 月 23 日 | comment
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