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ブログ - Words from Flying Books

新入荷!東松照明の写真集

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占領下の影響、交通事故、物価高、ベトナム戦争、学生闘争、奈良原一光・森山大道・中平卓馬など同時代の写真家たちとの交流など、フットワーク軽く日々を切り取る。
この時代を生きて目にしたもの、街を見下ろすその眼に映ったもの―
怒り、悲哀、平和への希求……
高度経済成長下の1960年代の日本と日本人のおかれた状況を東松照明はどう見ていたのだろうか。ページをめくるごとに、東松照明の問題意識に引きずり込まれる。

写真は被写体そのものを写し出すが、写されたものが真実かどうかはまた別の問題だ。東松照明に会ったことはないが、写真を見るだけで信頼できる男だと思う。その一方で、彼のデザインセンスあふれる幻影的な写真を見るとき、そこに写っているものが何であるか考えるよりも、ただ美しいと思う。そうして私は、彼の写真を信頼して、それ以上のことを見ようとしていないのではないか、と気付いた途端に、これらはおそろしい写真集に
思えてくる。東松照明の写真は、一見穏やかな雰囲気に包まれているように見えるが、私たちに「見る」ことを怠らないようにと叫んでいるような気がしてならない。

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『I am a king』
初版 函ヤケ 写真評論社 1972
¥48,000

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『東松照明写真集1<11時02分>NAGASAKI』
初版 背少イタミ 函欠 写真同人社 1966 ¥58,000
1945年8月9日11時02分で停止した時と、そこから現在進行形
で動いている時間。
その二つの時を写し出している写真集。

 

 

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『日本』
初版 ビニカバ欠 見返しテープ跡 写研 1967 ¥126,000

1955年〜1967まで12年間にわたって撮影した「日本」の記録。「吹きだまり」、「恐山」、「アスファルト」、「風景」、「せともののまち」、「おりもののまち」、「ghost town」、「チンドン」、「家」、「占領」 からなる構成。

 

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『サラーム・アレイコム』
初版 ビニカバ 写研 1968 ¥38,000

アフガニスタンの大地と人々の暮らしをとらえた写真集

 

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『戦後派 映像の現代5』
初版 帯 ビニカバ欠 中央公論社 1971

1951年〜1960年までの10年間、東京と名古屋を中心に撮影した5冊目の写真集。

Uehara

2010 年 7 月 19 日 | comment
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7・17(土)ロバート・ハリス×HABU トークセッション「旅の仲間」

7月17日土曜日に六本木・ミッドタウンで催されるラジオDJ・作家のロバート・ハリスさんと、親しい友人で旅仲間でもある写真家のHABUさんとのトーク・セッションの司会をFlying Books山路が務めます。

テーマは「旅の仲間」。
HABUさんによるネーミングで「実際の旅の仲間であり、人生の旅の仲間でもある」とのこと。

ロバート・ハリス×HABU トークセッション「旅の仲間」
時間:7月17日(土)17:00〜18:00
場所:東京ミッドタウン 
TSUTAYA Lifestyle CONCIERGE (東京ミッドタウンプラザ1F)
司会:Flying Books店主・山路和広
入場無料
トーク終了後、ロバート・ハリスさんとHABUさんのサイン会もあるとのことです!

詳細・お問い合わせは 
TSUTAYA Lifestyle CONCIERGE 03-5413-3773

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併せてロバート・ハリスさんセレクトによる「ロバート・ハリスの旅の本」フェアも開催されてます。 (6月28日〜7月18日)

2010 年 7 月 12 日 | comment
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事典と遊ぼう

蒸し暑いわ、なんかブファーとした鳴り物の音が巷に響いているわで、本なんぞ読んでられないとなるのも当然な今日この頃、そんなことにくじけることなどなく、薄暗く湿っぽいところでごそごそと埃にまみれることがあっても厭うことなく、書物と日々交流しつづけるみなさんこんにちは。芝生のうえの蝶とはまたべつの輝きを紙魚はもっているのです。
さて、そんな本の虫のかたがたであっても、なにかを調べようというときに事典を使うということは稀になってしまったのではないでしょうか。ボタンいくつか押せば事足りるこのご時世に、なにしろ手間がかかります。
また大抵かさばり凶器になりうるほど重くて、空間と時間を浪費する、効率優先のむきにはもはやなんとも不合理な存在となりはて、ご家庭に十数巻のセットで配置されていたという伝説の百科事典などは、タスマニア・タイガーかドードーかリョコウバトかニホンオオカミかといった絶滅ぶり。
しかし、辞書を引いていた頃、目的ではないことばをつい読んでしまったように、あてもないぶらぶら歩きで面白げなお店を見つけるように、偶然と必然の間で遊んでみるには、事典はなかなか。捨てたものではありません。
ちょっと専門が限られている方がいいかもしれません。あまりに項目が広範囲では目眩がしますよね(「目まいのする散歩」と云う本はありますけど)。自分にはあまり関係がなく、すぐに役立ちそうもない事柄を知って、そのことについてあれこれ思いをめぐらせてみるというのは愉しいものです。
ではここでそんな愉しみの友となれるかもしれない事典をご紹介します。

『カラー版 世界宗教事典』 

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様々な宗教に関する用語がカラーも含む豊富な図版とともに解説されています。本書の素晴しいところは、五十音順であるところです。つまり三大宗教とその各派は勿論、ヒンドゥー、ゾロアスター、神道、ジャイナ教、ラスタファリー、ホアホア教などについてのことばが同じページの上で隣合っているわけです。異なる考えが並列してお互いの理解へ導く。ユートピア(このことばもあります)的な眺めです。
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ハラールを引いたら、パラダイスとばらもんとパールヴァティーとハラハーも目に入って来てしまいます。とくに探してはいなかったけれど、バル・ミツヴァはよくバー・ミツヴァーと云う表記でユダヤ系作家の翻訳小説に出てくるなあ、おぼろげな意味しか知らなかった。と、たまには不本意ながら直接役に立ってしまったり。
復古カトリックの儀式の写真の隣の頁には鎌倉の大仏。ヒンドゥーの聖紐祭の向かいにアボリジニーの人々。

『月面クレーター 宇宙人名事典』
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何の事典かと思いますよね。宇宙人・名事典、とか宇宙人名・事典とつい読んでしまいます。ところがこれ、月のクレーターにその名を付けられた人々の事典なのです。そもそもクレーターに人名が付いてることすら知らず満月を眺めてきたわけですが、まず1651年にリチオリという人が月面地図を作って、古代ギリシャから当時までの天文学者、数学者、哲学者の名を付けた―あ、この人ちゃっかり自分の名前も付けてた!―ことから始まり、20世紀に人工衛星により月の裏側の撮影に成功したことから、1970年「世界の天文学者達は一同に会し」当時故人となっている偉大な科学者たちの名前を月の裏のクレーターに付けた、と。
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月面地図も載っているのでどこに誰の名が付いているかも分かります。
他に月ロケット、有人宇宙ロケット、宇宙飛行士の各一覧、宇宙条約なども付されていて、この事典の出版された1972年当時の宇宙への夢を感じさせます。またこの頃のことです、事典を編むために国会図書館の資料を基におびただしいカードや文献を制作、整理したと監修者が書いています。全部人力ですよ!タイプライターは使ったでしょうけれど。
なんだ今なら簡単なのになあ、とはとても思えません。
人類の営みとは…とそれこそ宇宙的な思いへと連れて行かれそうです。

『カラー版 世界宗教事典』 
リチャード・ケネディ原著 教文館 1991年 ¥5,770

『月面クレーター 宇宙人名事典』 
竹内均監修 林文献社 1972年  ¥6,500

Tanaka

2010 年 7 月 8 日 | comment
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