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ブログ - Words from Flying Books

花開いた反抗精神

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すっかり春です。先週までつぼみだった桜がポンポン咲いています。
ぬるいような少し肌寒いような春の空気につつまれ、いつまでもお布団のなかで過ごしていたい、しかしそんな春の日はいつ来るかと思うとあっという間に過ぎ去って行くので、年々、春という幻想が深まっていくばかりです。

そんなフワフワした頭をパキッとさせてくれる花模様、マリメッコのカタログを紹介いたします。

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マリメッコと言えば思い浮かぶこのパターン「Unikko」(マイヤ・イソラによって1964年にデザインされた。上写真左側の花柄)が今年で50周年を迎えました。
マリメッコは、1951年にフィンランドでアルミ・ラティアとその夫ヴィリオによって設立され、鮮やかで大胆なテキスタイルデザインで人気のブランドです。
いまやマリメッコの顔とも言える「Unikko」ですが、このパターンが生まれた50年前、創業者のアルミ・ラティアが“マリメッコでは花柄のパターンは作らない”と方針を打ち出した直後、マイヤ・イソラはその方針に従わずに花柄のパターンのコレクションを作ったのでした。

1960年代、イギリスではビートルズの台頭とともに、ユース・カルチャーが花開き、マリー・クヮントやクレージュのミニスカートが流行し、洋服のパターンに花柄があふれるようになります。

アルミ・ラティアが花柄のパターンを作らないと言ったのは、フィンランドでもすでに花柄が凡庸なものになっていたからだったのでしょうか?
しかし、「Unikko」は時代の流れに乗って、50年経った今も明るく華やかで楽しい雰囲気を与えてくれます。方針に反したものであっても、マイヤのデザインを受け入れたアルミも寛大だったと思います。そして、いまやマリメッコのアイコンとして認められているこのパターンのもつ普遍性と力強さが、マリメッコ社にとって、その後世界的に拡大する大きな生命力となったと言えるでしょう。

1972年にマリメッコと西川産業とが提携して、日本にもマリメッコのデザインが入ってきました。
今となってはどんなデザインも生活に取り入れられるようになりましたが、1970年代の日本の家にマリメッコのファブリックはとても斬新なものだったでしょう。

ファブリックの見本が7点入った商品カタログには、アンニッカ・リマラが1960年代初期にデザインした「ヘデルマコリ」というパターンも含まれています。
色違いで、デザインのサイズが違うものがそれぞれ貼り込まれています。
当時のマリメッコのテキスタイルデザインの実物に触れられるカタログはとても貴重です!

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ファブリックのパターンがプリントされたカタログには、見本付のカタログには含まれていないパターンが17種(内1パターンは色違い)あり、計24種のパターンが掲載されています。
「Unikko」の他にも「Ananas」、「NASIA」などマイヤ・イソラのデザインしたパターンが入っています。

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また、会社案内のカタログには、マリメッコ社の紹介に加え、ファブリックの写真が2枚(Domestic, Import)、マリメッコのドレスを着たモデルの写真が1枚、マリメッコの店舗の写真が1枚、紙フォルダーに入っています。

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marimekko カタログ
生地の見本付商品カタログ、商品カタログ(印刷)、会社案内の3点セット
西川産業
Sold

Uehara

2014 年 3 月 29 日 | comment
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4/13(日)長沢哲夫新作詩集『地球によりかかり笑っています』出版記念ライブ

2011年の『足がある』以来、3年ぶりの新作詩集『地球によりかかり笑っています』完成しました!!(Flying Booksと作詞家さいとういんこによる詩集出版レーベルSplash Wordsからの刊行です)

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毎年恒例、九州諏訪之瀬島の詩人・ナーガこと長沢哲夫さんと、信州・大鹿村のシンガー内田ボブさんのツアーは、一年に一度、東京でナーガさんの生のリーディングが聴けるチャンス。今回は新作詩集『地球によりかかり笑っています』出版記念として開催致します。

ゲストに鹿児島出身で諏訪之瀬島にも滞在した若手詩人の新納新之介(にいろしんのすけ)さん、同じく諏訪之瀬島を旅したウッドベース弾き語りでラップをするタカツキさんの2名を迎えます。

「在るものは無くなり、無かったものが現れてくる。
自然のままに、何もかも変わっていくし変わっていかざるを得ない、
ということを心にぶらぶら歩いていきましょう。
地球に生き、地球に生かされていることを愛しながら。」
とあとがきで述べられているように、人口50人程の島に居を構えながら、惑星規模の視点で描かれた詩を中心に、長編詩「東京には5000万本のかしの木の梢とそれにとまる小鳥たちがいる」やジャン、ポン、ジュゴンら旧友たちに捧げた詩、数十年前に自ら英詩から訳したインド中世の詩人カビールの訳詩など全51篇を収録。

4月13日のイベントが初公開となる予定です。ぜひ、遊びにいらして下さい!

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4月13日(日)
「Beat Goes On vol.15〜春風めぐるツアー2014
長沢哲夫新作詩集『地球によりかかり笑っています』出版記念」
【ポエトリー・リーディング、ライブ】
出演:長沢哲夫、内田ボブ
ゲスト:タカツキ、新納新之介
OPEN:18:30 start:19:00
会場:Flying Books (東京都渋谷区道玄坂1-6-3 2F)
料金:¥1,500(詩集付)
予約はメール、電話(03-3461-1254)、及び店頭にて (営業時間12~20時 日曜~18時)
メール:info[a]flying-books.com ※[a]を@に換えて送信してください

長沢哲夫『地球によりかかり笑っています』(定価500円 Splash Words刊)
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「いのちの海に」

いのちの海に
時の貝殻をひろう
目は歌い
耳は語る
まとわりつく死の手にぬれ
私は笑う
打ちよせる波に洗われながら
いのちの海に
時の貝殻をひろう

「踊りましょう」

ぼくは踊らない ぼくは踊れない
と つもりつもった雪のように
話し続けていたのだが
きっと ぼくは踊るぼくは踊ると話し続けていくのだろう
それが行くこともない帰ることもない旅なのだから
さあ 踊りましょう 踊りましょう
山が荒れるように 海が荒れるように
魚たちが泳ぐように 鳥たちが飛ぶように
闇を抱いて 光りを抱いて
過ぎ去らない今を抱いて
つぶやくように 歌うように
光り輝く大地を踏んで
宵待草のささやく中を
さあ 踊りましょう 踊りましょう
行くことも帰ることもない旅なのだから

2014 年 3 月 22 日 | comment
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ブルース・ウェーバーの若者たち

写真を見てとても満足する瞬間がある。ブルース・ウェーバーの写真がそれだ。美しい俳優や女優、人々に見られるためだけに生まれてきたようなセクシーなモデルたち。ブルース・ウェーバーの顔を初めて見た時は、「パパ、ヘミングウェイじゃね?」と思ったぐらい、男性的な印象だった。まさかこんな山男がこんな美しい写真を撮るとは。コクトーから継承される美しい男達の裸の肖像は、永遠の少年らしさを含んでいなくてはならない。そこには少年の持っている行動の大胆さや、それゆえの危機などが必ず存在する。この危険を恐れずに行動し、くだらない事に夢中になり、時には自身の生命を掛けても無茶をやるイメージは遠くギリシアの伝説から永遠に人々の心を揺さぶり続ける。
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彼等から反射する美しい光は、ドイツ製の極上のレンズを通してフィルムの乳剤面に届く。それだけで官能的で満足だ。彼の写真集の多くはマットな紙で印刷されていて、凄くモノクロームの写真と相性が良い。被写体の官能性が高すぎるせいか、抑えの利いたマットな紙がその官能性をまろやかにし、調度良い頃合いにしてくれている。本の装丁は隅々まで目が行き届いてとても気持ちが良い。
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彼の写真を見るといろいろなアーティストに直接的にしろ間接的にしろ影響を与えていると知ることができる。ティルマンスの写真に出てくる自然に溶け込んだ裸のイメージも写真集から伺えるし、裸体の男同士の戯れあいは、ライアン・マッギンレイの写真とそっくりだ。彼の写真の方が彼等の写真より少しエレガントなのは、この本を手に取ってもらえば一瞬で理解できる。
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ブルース・ウェーバーの写真集に貫かれた美意識は、時にはその本自体を扱いにくくする。「let’s get Lost」は、このデザインでソフトカバー、しかもザラツイタ質感の本しかもう想像出来ない。特にこの本は高額でありながらこの扱いにくさだが、ジャンキーのチェット・ベイカーの脆さと対応していて非常に微妙な感じで良い。取り扱いずらさも、これでしかこの本の味が出ないならやむ得ない。ブルース・ウェーバーの写真の魅力は言うまでも無いが、ぜひ本を手に取ってもらいたい。手で持ち、触れるというのも、本ならではの体験である。質感を感じる行為も作家の美意識に触れる一つの大事な要素である。
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Yuji Hayashi

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『Let’s Get Lost: A Film Journal Starring Chet Baker』
Bruce Weber
SC 美品
Little Bear Films 1988
¥189,000
『Let’s Get Lost: A Film Journal Starring Chet Baker』
Bruce Weber
SC 初版 背・裏表紙少イタミ
Little Bear Films 1988
¥95,000

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『Bruce Weber』
Bruce Weber
HC 初版
Twelvetrees Press 1983
¥45,000

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『BEAR POND』
Bruce Weber
初版 HC
Bulfinch Press
¥30,000

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『Portikus Frankfurt』
Wolfgang Tillmans
HC 1995
Portikus Frankfurt
¥35,000

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『Life Adjustment Center』
Ryan McGinley
HC 初版 2010
¥28,000

2014 年 3 月 17 日 | comment
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